ジャングルポケットという名馬をご存知ですか?

名前 ジャングルポケット 生年月日 1998年5月7日
トニービン ダンスチャーマ-
調教師 渡辺栄 騎手 角田晃一
馬主 齊藤四方司 生産者 ノーザンファーム
戦績 13戦5勝
優勝 '01日本ダービー(G1) '01ジャパンカップ(G1)

1994年サンデーサイレンス産駒の初年度産駒に現れた幻の3冠馬がいた。
青鹿毛の馬体で名は『フジキセキ』

そのフジキセキ引退から6年後に、馬主・調教師・騎手・厩務員全てが同じメンバーでダービー制覇を成し遂げ、フジキセキの雪辱を晴らした馬がいた。

その名は『ジャングルポケット』

デビュー当時から評価は決して高くはなかった。
札幌でデビューを果たしたジャングルポケットだが、初戦は5番人気。
この中には、後に東京スポーツ杯3歳ステークスを勝つタガノテイオー、そのタガノテイオーを退けて朝日杯3歳ステークスを勝つメジロベイリーなど錚々たるメンバーが揃っていた。
このハイレベルの新馬戦を制したジャングルポケットは次に、札幌2歳ステークスを選んだ。
ここには、タガノテイオーと後の牝馬2冠馬テイエムオーシャンが参戦しており、このレースを勝ったことによりジャングルポケットの評価は徐々に上がっていくのである。
暮れのラジオたんぱ杯まで休養するのである。

この間に「クロフネ」と言う外国産馬がいた。
10月にデビューした芦毛のこの馬は、折り返しの新馬戦とエリカ賞をレコードで快勝。
2001年から外国産馬にダービーが解放される年にまさにクロフネの如く襲来してきたのだ。

クロフネがエリカ賞を勝った前日にとんでもないパフォーマンスで新馬を圧勝した馬がいた。
母は桜花賞馬アグネスフローラ。兄はダービー馬アグネスフライト。
その弟のアグネスタキオンである。
注目馬の集まる12月最初の新馬戦で、他の評判馬を残り800mから動き直線でさらに突き離した勝利は度肝を抜いた。

そして3頭が出走した第17回ラジオたんぱ杯3歳ステークスである。
ここでもまたもやアグネスタキオンが驚愕のレースを見せて圧勝。
アグネスタキオンは既に三冠当確とまで言われていた。
この時点でジャングルポケットはまだスポットライトを浴びる事はなかったのだ。

時代を席巻する3頭による最初で最後のレースなのである。

明けて2001年ジャングルポケットは始動レースを共同通信杯にした。
ここで遂にその大気の片鱗を見せるのである。
鞍上の角田晃一はムチを使うことなく完勝するのだ。
トニービン産駒=東京競馬場のイメージそのままの勝利だった。
ここから皐月賞直行も決まった。

一方、アグネスタキオンは不良の弥生賞を勝利し、皐月賞当確を決定づけた。

迎えた第61回皐月賞。
アグネスタキオンが1.3倍の圧倒的1番人気、ジャングルポケットは離れた2番人気であった。
スタート後躓いてしまったジャングルポケットは後方からの競馬になってしまい、道中も脚を使い最後はダンツフレームをも差せずに3着に終わった。
勝ったのはアグネスタキオン。
しかし、本来の走りではなかったのだ。
その1か月後屈腱炎が判明し、引退が決定したのだ。

幸運にもと言う表現が適しているかは分からないが、これによりジャングルポケットはダービーは絶対に負けられないレースになったのだ。
NHKマイルカップを勝ったクロフネも参戦したが、距離不安と馬場適性の懸念があった。

そして、2001年5月26日第68回日本ダービー。
ジャングルポケットは大外の18番枠からスタートすると、道中は中団に待機。
縦長の展開になり、4コーナーを向くと内から外に持ち出し馬群を割ってくる。
そして、坂を上りそのまま抜け出し追いすがるダンツフレームを制し、見事21世紀最初のダービー馬となったのだ。
ゴール後に天を向き嘶いている姿は、アグネスタキオンへなのか、フジキセキへなのか、はたまた自分へなのか真意は分からないが誰かに叫んでいるようであった。

陣営は次に夏の札幌記念を選択した。
ダービー馬の3歳での参戦は極めて異例であった。
上り馬で同期のエアエミネムに屈し、ファイトコマンダーにも競り負け3着で菊花賞へと向かうのであった。

小雨降る京都競馬場。
ジャングルポケットは外目の13番枠からスタートになった。
ダービーとは違い前に壁が作れず折り合いを欠くジャングルポケット。
メインスタンド前で前に馬を置いて落ち着いたかに見えたが、1コーナーを回ると幾分引っかかる面が見受けられた。
最後の直線で外に出し、伸びてはくるも内で我慢していたマンハッタンカフェの4着に敗れてしまった。
この敗戦を機に角田晃一は二度とジャングルポケットの背中に跨る事はなかったのだ。

次走には東京競馬場のジャパンカップが選ばれた。
鞍上にはオリビエ・ペリエが決まった。
ダービーを制した舞台だが相手にはテイエムオペラオーがいたが、全く勝算がなかった訳では無い。
折り合いさえつけば。ただそれだけだった。
向こう正面でトゥザヴィクトリーが外からハナに行くも戸惑うことなく、最後の直線を向く。
馬場の真ん中からテイエムオペラオーが抜け出す。
明らかにテイエムオペラオーの勝ちパターンであったが、坂を上ってから驚異の伸びを見せ王者を差し切ったのである。

ダービーとジャパンカップの勝利が評価され2001年の年度代表馬に選ばれたのであった。

古馬になり海外遠征のプランもあったが怪我などにも見舞われてその後勝つことなくターフを去ったのであった。

得意の東京競馬場で最高に輝き、チームフジキセキの6年前の忘れ物を取り戻させてくれた馬
それが『ジャングルポケット』

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